妊娠率統計3

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卵管通過性や造影剤による妊娠率について

卵管通過性と妊娠率

卵管は精子と卵子が出合うところで、妊娠が成立するために、重要な場所です。卵管は左右に1本ずつ計2本あります。今回の調査では両側通る場合と、片側だけ通る場合で、妊娠率に違いがありませんでした。子宮外妊娠の手術や、卵管炎で片方の卵管が機能しなくとも妊娠率は変わりません。両側通らない場合は妊娠率が低いですが、妊娠した例が少数ありました。妊娠した症例は、卵管手術を行った症例と、検査では通らないが、実際は通る症例だったと思われます。

卵管水腫は卵管閉鎖のため、卵管に液体がたまって、嚢状になったものです。3例中、2例が妊娠しましたが、症例が少なく、有意ではありません。

卵管通通過性と妊娠率

造影剤の腹腔内拡散と妊娠率

子宮卵管造影の後、腹腔内に入った造影剤の広がりと妊娠率の相関をみたものです。 拡散が,良とやや良の場合に妊娠率は高いですが、不良の場合は低い傾向でした。卵巣や卵管周囲に癒着があると考えられます。 卵管内残留がある場合も、低い妊娠率でした。卵管の通過性や運動に問題があると思われます。

通過量が少ない場合は、妊娠率は正常でした。少しでも通れば妊娠は成立するということです。 拡散異常とは、腹腔内に入った造影剤がガラス破片状に広がることで、12例ありました。妊娠率は低めでしたが、有意の違いではありませんでした。

造影剤の腹腔内拡散と妊娠率

子宮卵管造影法の治療効果

子宮卵管造影は、油性の造影剤を子宮と卵管に注入しますが、治療効果もあることが知られています。今回の調査でも、施行した318例の内、27例(8.4%)が2周期以内に妊娠しています。

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精液量や精子運動量による妊娠率について

精液検査所見と妊娠率

精液については、全体量、精子濃度/ml、運動率、奇形率についてそれぞれ妊娠率との相関を調べました。精液量については、妊娠率との関係は少なく、多くても少なくても、一定の妊娠率がありました。6.1ml以上の群は症例が少なく統計的には有意ではありません。

1ml中の精子濃度では、4,000万以上が正常とされています。100万以下の場合は妊娠率が3.6%と低いですが、0ではありません。2,000万未満では、妊娠率が30%台で、低い値でした。2,000万以上では、ほとんど正常な妊娠率でした。精液検査を実施しない方が114人いましたが、この群の妊娠率は70%を越え、有意に高値でした。

精子濃度と妊娠率 精子奇形率と妊娠率

精子運動率の検査について
精子運動率の検査ですが、精子は50%以上が活発に動き回るといわれます。運動率が0の場合は、低い妊娠率でしたが、10%近くは妊娠しました。運動率が0以上の場合は、10%以下でも妊娠率に差がなく、少しでも動く精子がいれば妊娠率は正常に保たれるようでした。形態異常の精子は少しはいるものですが、20%以下が正常とされています。今回の調査では50%以上でも妊娠率に有意の違いはありませんでした。検査不能とは数が少ないため判定できなかった方です。

精液量と妊娠率 精液運動率と妊娠率

 

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